いつもお読みいただきありがとうございます。
前回の記事で、定年後の老後資金についての
記事を書かせていただきました。
老後資金のお話しに、「年金」は欠かせないものではありますが、
実は、「公的年金制度」は、定年後だけではなく、
今の私達にも深く関わっているのです。
その代表が、夫や妻が亡くなった時に遺族が受け取れる
「遺族年金」です。
<万が一のこと>を考えたくないのは、もちろんなのですが、
皆さんの多くは、この<万が一>に備えて、民間の生命保険に
入られていると思います。
本来は、公的な保障について、ご自身が公的な保障をどの位受けられるのかを
把握し、残されたご家族が必要な保障額と照らしあわせた時に
不足する分を民間の保険で補うというのが、
いわゆる「無駄のない保険」ということになると思います。
今回は、「遺族年金」について、子育てファミリーが知っておいていただきたい
ポイントに絞って、お伝えしたいと思います。
「遺族年金」には、<遺族基礎年金><遺族厚生年金(※共済年金)>
(※平成27年10月に共済年金は、厚生年金に統合されました)
があります。
国民年金に加入している自営業世帯は、<遺族基礎年金>、
厚生年金に加入している会社員や公務員世帯は、<遺族基礎年金>+<遺族厚生年金>
が受けとれます。
それぞれを見てみましょう。
<遺族基礎年金> 自営業世帯 および 会社員・公務員世帯
●支給要件
被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したとき。
(保険料納付済み期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること)
ただし、西暦2026年4月1日前の場合は、死亡時に65歳未満であれば、
死亡日の属する月の前々月までに1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、
保険料の滞納がないこと。
●受給者
亡くなった方によって生計を維持されていた
① 子のいる配偶者
② 子
※ここでいう「子」
⑴18歳到達年度の3月31日を経過していない子供
⑵20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子供 のいずれか
●受給期間
全員の子供が18歳到達年度の3月31日まで(障害のある場合には20歳到達まで)
●受給額(年額)
779,300円 + 子の加算 ※第1子・第2子 各224,300円、第3子以降 各74,800円
(例)子が2人いる場合
779,300 + 224,300 + 224,300 = 1,227,900 円 (月額 102,325円)
★平成26年4月より、「子供のいる夫」も遺族基礎年金を受け取れる等になりました。
(平成26年3月以前は対象外)
★生計を維持されていたと証明するためには、
原則として遺族の年収が850万円未満であることが要件となります。
<遺族厚生年金> 会社員・公務員世帯
●支給要件
1.被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
(保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が、国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし西暦2026年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの
1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
2.老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したとき。
3.1級・2球の障害厚生(共済)年金を受けられる人が死亡したとき。
●受給者
亡くなった方によって生計を維持されていた
① 妻
② 子・孫
※ここでいう「子・孫」
⑴18歳到達年度の3月31日を経過していない子供
⑵20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子供 のいずれか
③55歳以上の夫、父母、祖父母 (支給開始は60歳から)
※ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる
●受給額
在職中の平均収入(賞与含む)などによって、決まります。
詳しい計算方法については、日本年金機構のホームページをご覧下さい。
※<中高齢寡婦加算>
遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した
障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。
40歳から65歳になるまでの間、584,500円(年額)が加算されます。
以上のように、子育てファミリーに万が一のことがあった際には、
公的な保障が用意されています。民間の保険を掛けすぎているかな、
見直したいなとお考えの方は、一度公的な保障額を確認してみてくださいね。
また、民間の保険についても、お子様の成長やライフスタイルの変化によって
必要な保障内容が変わってきます。いざというときに、しっかり保障して
もらえる保険でなければ、毎月(年)高い保険料を掛けても意味がありません。
定期的に、もしくは家族の生活に変化があった際には、見直すことで
より十分な保障を得られるだけではなく、支払う保険料の総額も長い目でみると
大きな差がでることもあります。
大切な資産を、大切な家族のために有効に使っていきましょう!
※「遺族年金」の支給額や受給要件などは、変更されていることがありますので、
最新の情報は日本年金機構ホームページにてお確かめください。